モチベーションは、支え方次第で変わります

トレーニングを学ぶうえで、モチベーションはとても大切です。ただし、ただ熱量を上げればよいわけではありません。飼い主さまが「これなら続けられそう」と感じられること、その感覚を守ることのほうが、実際には重要です。

インストラクターが良かれと思ってたくさん宿題を出したり、自分と同じ熱量を求めたりすると、かえって犬も人も疲れてしまうことがあります。続けてもらうためには、正しさだけでなく、負担の調整も必要です。

実現可能で短期の目標を置く

大きすぎる目標は、うまくいかなかったときにモチベーションを大きく下げてしまいます。たとえば「どんな犬とも仲よく遊べるようにしたい」という目標は、気質や経験によってはかなり難しいことがあります。まずは「外で飼い主さまに意識を戻せる」「犬を見たときにアイコンタクトが取れる」といった、短期で確認しやすい目標を置くほうが進みやすくなります。

飼い主さまに発見を持ち帰ってもらう

問題行動がすぐに改善しなくても、「うちの子はこういうときに不安そうなんだ」「私が急いで声をかけると逆に興奮しやすいんだ」といった発見があるだけで、レッスンの価値は大きくなります。小さな気づきの積み重ねが、継続する理由になります。

宿題は“できればで大丈夫”くらいにする

家庭での実践は大切ですが、宿題が重すぎると「できなかったから次に行きづらい」と感じさせてしまいます。答え合わせが前提になる宿題よりも、「できればおうちでもやってみてくださいね」くらいの軽さのほうが、結果的に長く続きやすくなります。

予習より、その場での発見を大切にする

SNSなどで見た情報をたくさん持って来られる方もいますが、事前知識が多すぎると、かえって考え方が散らばることがあります。レッスンの場では、そのご家庭とその犬に必要なことを整理しながら、その場で理解が進むように組み立てるほうが実践につながりやすくなります。

負担を大きくしすぎないための視点

  • 目標は短期で確認しやすいものにする
  • 宿題は少なく、軽くする
  • 「やらなければいけない」より「やってみませんか」で伝える
  • できていることも、できていないことも偏らずに伝える
  • 犬にも飼い主さまにも無理が出ていないかを見る

モチベーションを持続させるというのは、飼い主さまを持ち上げ続けることではありません。適切な目標を置き、負担を調整し、発見を積み重ねられるように支えることです。その積み重ねが、結果として犬との関係づくりにもつながっていきます。

監修・運営

SKYWAN! DOG SCHOOL 代表 井原亮。トレーニングが続くことを大切にしながら、犬にも飼い主さまにも無理のない形で支援を行っています。