トレーニングのカギは、正しくご褒美を使うことです
犬に何かを覚えてもらいたいときは、犬にとって「よいこと」が起きるように整えることが大切です。ご褒美にはいろいろな形がありますが、飼い主さまが使いやすく、犬にも伝わりやすいものとして、フードやおやつはとても有効です。
ただし、フードを持っていればうまくいく、というわけではありません。どのタイミングで、何のために使うのかを整理すると、トレーニングはずっと進めやすくなります。
フードには「誘導」と「ご褒美」の役割があります
フードは、新しい行動を教えるときの「誘導」として使うことができます。たとえばオスワリを教えるとき、フードのにおいや手の動きで犬の姿勢を誘導し、お尻が床についた瞬間にそのフードを与えます。
この流れをくり返すと、犬は「この動きをするとよいことが起きる」と学びやすくなります。最初はフードの誘導が必要でも、少しずつ手の動きや声かけだけで行動できるようにしていくのが理想です。
行動とご褒美を結びつける
大切なのは、こちらが教えたい行動を犬がとった直後に、ご褒美を届けることです。誘導でできた場合も、犬が自分からできた場合も、正解の行動が出たタイミングでわかりやすく伝えます。
タイミングが遅れると、犬は何に対してご褒美が出たのかを理解しにくくなります。たとえばオスワリをしたあとに立ち上がってからフードを渡すと、「立ち上がること」が強く印象に残る場合もあります。
「前ぶれ」と行動をつなげる
犬が行動とご褒美の流れを覚えてきたら、その前に合図を入れていきます。たとえば、オスワリなら「オスワリ」という言葉を先に伝え、そのあとに行動が起き、ご褒美が出る流れを作ります。
同じ流れをくり返すことで、犬は合図を聞いたときに「次に何をすればよいか」を予測しやすくなります。合図は、犬に命令するためのものというより、これから何をするとよいことが起きるのかを知らせる前ぶれだと考えるとわかりやすくなります。
フードを食べられないときは、環境も見直す
犬がフードを食べられないときは、「わがまま」や「やる気がない」と決めつけないことが大切です。強い不安や怖さ、緊張があると、食べる余裕がなくなることがあります。
その場合は、フードの種類を変える前に、距離や音、場所、周囲の刺激を見直してみましょう。犬が安心して食べられる環境まで戻すことが、トレーニングを進めるための第一歩になることがあります。
ご褒美を使うときのポイント
- 教えたい行動が出た直後にご褒美を届ける
- 最初はフードで誘導し、少しずつ合図へ移行する
- 合図は、行動の前に伝える「前ぶれ」として使う
- 食べられないときは、怖さや緊張がないか確認する
- 叱って止めるより、正解の行動をわかりやすく伝える
ご褒美を上手に使えるようになると、犬は何をすればよいのかを理解しやすくなります。飼い主さまにとっても、叱る場面を減らしながら、楽しく練習を続けやすくなります。
監修・運営
SKYWAN! DOG SCHOOL 代表 井原亮。犬に正解を伝え、飼い主さまが続けやすい形でトレーニングを組み立てることを大切にしています。