目的が違えば、伝わり方も変わります
インストラクターのもとを訪れる方は、みな同じ熱量で学びに来ているわけではありません。切迫したトラブルを抱えている方もいれば、友人に勧められて軽い気持ちで来られる方もいます。ここを見誤ると、説明の方向がずれたり、必要以上に熱量をかけてしまったりします。
まずは「その人は何を目的に来ているのか」を整理することが大切です。意欲と興味の組み合わせで見ると、関わり方の方向がかなり見えやすくなります。
自分でやってみたが、うまくいかない人
自分なりに調べたり試したりしたうえで、改善しきれずに相談に来られるタイプです。学ぶ意欲も興味も高い反面、SNSなどで偏った知識を持っていることもあります。この場合は、これまでの方法のどこがずれていたのか、なぜ今の提案が必要なのかを丁寧に説明することが大切です。
自分でやってみて、ある程度うまくいった人
独学でもある程度進められていて、答え合わせや微調整を求めて来られるタイプです。教えるというより、対等に整理する感覚のほうが合いやすいことがあります。ちょっとした修正点や、新しい気づきを渡せると満足度が高くなります。
早期に解決したいトラブルを抱えている人
噛みつきや吠えによるクレームなど、早く手を打たないといけない状況の方です。トレーニング自体への興味は高くなくても、困りごとを何とかしたい気持ちは強いので、提案を受け入れてもらいやすいことがあります。まずは事故やトラブルが起こりにくい環境づくりを優先し、その後で原因と対応を整理していきます。
興味も目立ったトラブルもない人
無料相談だから来てみた、知人に勧められたから話だけ聞きに来た、というようなタイプです。問題がないのではなく、本人が問題として捉えていないこともあります。この場合は、無理に熱量を上げようとするより、気づきや発見を持って帰ってもらうくらいの関わり方のほうが自然です。
見立てるときに意識したいこと
- 今すぐ困っているのか、学びを深めたいのか
- すでに自分で試してきたことがあるか
- 説明を細かく聞きたいタイプか、要点だけ知りたいタイプか
- 何にお金と時間を使おうとしているのか
- トレーニング自体に関心があるか、それともトラブル解決が最優先か
飼い主さまのタイプを決めつける必要はありませんが、目的を見立てる視点があるだけで、伝え方はかなり変わります。相手がどこにいるかを見て、その人に合う関わり方を選ぶことが、信頼にも継続にもつながっていきます。
監修・運営
SKYWAN! DOG SCHOOL 代表 井原亮。犬の行動だけでなく、飼い主さまの背景や目的を見立てながら、無理のない支援を大切にしています。
