この出来事を短く見ると
散歩に出ると、帰るまでずっと地面を見ていました
この子のお悩みは、お散歩に出ると地面の匂いを嗅ぎ始め、どれだけ歩いても帰宅するまで匂いを嗅いでいる、というものでした。
実際に見てみると、下を向いたまま進み、お気に入りの匂いがあると止まって動かなくなります。当然、飼い主さまのことはまったく見ません。
一見いい位置で歩いているように見えても、散歩にはなっていませんでした
引っ張って歩くわけではなく、位置としては一見よい感じのポジションで歩いていました。ただ、顔を上げることはありません。飼い主さまからのアプローチへの反応もほぼなしです。
仕方ないのでそのまま歩いてくるが、果たしてこの散歩に意味があるのか。そう思ってレッスンを受けることになったそうです。
匂い嗅ぎそのものが悪いわけではありません
私が見て最初に感じたのは、匂い嗅ぎが悪いわけではない、ということです。ただ、このままだと散歩にならない。そして、その姿に飼い主さまがストレスを感じている。その点は整えていく必要があると感じました。
おそらく今まで、好きなだけ匂いを嗅いで歩いてきたのでしょう
この子の様子から、おそらく今まで自由に、好きなだけ匂い嗅ぎをしながら歩いていたのだろう、ということと、普段の生活の中でも、ある程度自由になんでもできる環境で育ったり生活しているのだろう、ということは容易に想像できました。
まずは自宅で、「顔を見ると褒めてくれる」を作ります
こういった場合は、匂い嗅ぎなどがあまりない自宅で、顔を見る、つまり飼い主さまと目を合わせることで必ず褒めてくれる、ということを教えていきます。そしてそれを外の練習にもっていきます。
でも、外では全く見ませんでした
しかし、その子は外では全く見ませんでした。飼い主と目を合わせることよりも、地面の方が魅力的だったのです。
だから、物理的に地面に届かない長さで待ちました
そこでやったことはシンプルです。リードの長さを、とにかく地面に届かない、かつ顔を見上げれば苦しくない長さで持つ。そして、自ら目を見てくれるまで待つ。とにかく待つ、ということでした。
次にいいことが起きるのは、飼い主を見ることだと教えていきます
物理的に地面の匂い嗅ぎができなくなると、次に自分がいい思いができることを探し始めます。それが飼い主の目を見ることになるように仕向けていきます。
目を見たらおやつをあげて、一歩進む。少しずつ少しずつこれを繰り返していくと、一歩が二歩になり、五歩になり、といった感じで歩けるようになっていきます。
こういう子ほど、自宅での練習が重要です
外だけで何とかしようとしても、地面の魅力が強すぎると入りません。だからこそ、匂いの少ない自宅で、飼い主を見ると良いことがある、という練習を積んでから外に持っていくことが大切です。
匂い嗅ぎを否定するのではなく、散歩を一緒に作っていきます
匂い嗅ぎをゼロにするのが目的ではありません。匂いを嗅ぐ時間があってもよいけれど、そこから切り替わって、飼い主さまと一緒に歩ける時間を作れるようにしていくことが大切です。
この出来事から伝えたいこと
- 匂い嗅ぎそのものが悪いわけではないこと
- 一見歩けていても、飼い主を全く見ないなら散歩として見直す余地があること
- 飼い主を見る価値が地面より低いと、外では入らないこと
- 自宅での練習を土台にして外へ広げること
- 一歩ずつ積み重ねると、歩き方は少しずつ変わっていくこと
監修・運営
SKYWAN! DOG SCHOOL 代表 井原亮。散歩中の匂い嗅ぎは悪者にせず、その子が何に価値を感じているのかを見ながら、飼い主と歩く意味を少しずつ作っていくことを大切にしています。