社会化とは、ただ慣らすことではありません
私が考える社会化とは、成犬になった時に何か怖い出来事や初めて体験することが起きた時でも、感情の振れ幅が少なく、その場に適応したり、怖くてもある程度短い時間で平常心に戻れたりすることです。
また、何かが起きても平常心を保つことができることも大切です。ただ刺激に触れているだけではなく、その場でどういられるかまで見ていく必要があります。
一番の勘違いは、無理にでも経験させればいいと思うことです
子犬の社会化で一番勘違いしやすいのは、無理にでも経験させて慣らしておけば良い、と思ってしまうことです。でも、それは違います。
大切なのは、平常心を保てる範囲で初めての体験をさせることです。その目安として、食べ物が食べられるかどうかはひとつのバロメーターになります。楽しい思いや美味しいものをもらった体験とくっつけてあげることが大切です。
経験させたいものは、日常の中にたくさんあります
子犬の時期に経験させておきたいのは、人や犬だけではありません。音、場所、乗り物、病院、お手入れ、じゃり道やマンホールなどの足場感覚、車に乗ること、キャリーバッグやカートに乗ること、緊急時も含めた外での排泄など、暮らしの中で必要になる体験はたくさんあります。
こうした体験を、無理なく少しずつ入れていくことが大切です。
やりすぎや無理やりは、逆効果になることがあります
食べられない場所では慣れません。そういう状態のまま続けると、良い社会化ではなく、怖い方へ向かってしまいます。
たとえば、犬が怖い子を「慣らしてあげよう」とドッグランに入れて、他の犬に囲まれたり、吠えられたり、噛まれたりして犬嫌いになることがあります。人が怖いのに、知らない人に無理やり抱っこしてもらうことも逆効果になることがあります。
こうした無理やりの社会化は、その後の反動がとても大きくなることがあります。
まずは、愛犬の動きをよく見てください
社会化を進めるうえで最初に大切なのは、愛犬の動きをよく見ることです。怖がっているのか、平常心なのか、喜んでいるのか。それを見極めることが必要です。
飼い主よがりではいけない、ということを忘れないでください。
焦らなくてよいこともあります
生後50日から60日ほどで、他の犬との触れ合い方を脳の仕組みとして作り上げ、その後の成長過程ではそれはできないことだとされています。この日数は、迎え入れた時には過ぎている可能性があります。
だからこそ、子犬だからという理由で無理にふれあいをさせることには注意が必要です。何より、社会化は焦ることではなく、徐々に良い体験をたくさんさせてあげるようにしてください。
子犬の社会化で大切にしたいこと
- 平常心を保てる範囲で経験させること
- 食べられるかどうかをひとつの目安にすること
- 初めての体験を、楽しいことや美味しいことと結びつけること
- 無理やり慣らそうとしないこと
- 愛犬の表情や動きをよく見て進めること
社会化は、自分だけではうまくいかないことがあります。他の人の力を借りなければならないことも多くあります。良い体験というブロックをたくさん積ませてあげること、嫌な体験はゆっくりと着実に良い体験へ変えていくことが大切です。
少し自分では難しいなと感じたら、躊躇することなくトレーナーにアドバイスをもらうと良いでしょう。
監修・運営
SKYWAN! DOG SCHOOL 代表 井原亮。子犬期の社会化では、量よりも質を大切にし、平常心を保てる範囲で良い体験を積ませることを重視しています。