「どうしたらいいですか」と聞かれた時、本当は長く説明することもできます。でも、最初の一手は意外とシンプルです。ここでは、よくある問題行動に対して、私ならまず何と返すかを、一言で並べてみます。
よくある困りごとへの一言
散歩中、前から犬が来ると吠える犬
吠える前に道を変える吠えてから止めるより、吠える流れに入る前に距離を取る方が早いです。
来客があると玄関で吠え続ける犬
最初からクレートに入れておく。または来客を呼ばない吠える場面を繰り返さない環境づくりが先です。
夜中に急に起きて吠える犬
飼い主寝たふりすでに吠えている時に反応すると、吠えると人が来る学習が入ります。
留守番になると吠える犬
留守番だけ吠えるとは思えない。いつも何かで吠えてメリットを得ているはず。それを止めるところから始める。留守番だけを特別扱いせず、日常の吠え全体の流れを見直します。
甘噛みしてくる子犬
噛まれないように遊べ。噛ませながら直すより、噛まれない遊び方に変える方が早いです。
ごはんの前に吠える犬
いきなりご飯、または諦めるまであげない準備の流れを読ませすぎないことと、吠えても進まないことが大切です。
抱っこしようとすると逃げる、または噛む犬
抱っこしない。追わない。人を噛むより食べたいおやつを食べながら抱っこする嫌なことをそのまま押し通さず、抱っこされる流れそのものを変えていきます。
散歩に行こうとすると逃げる犬
行かなきゃいいんじゃないかしら。それか、外でしか食べられない最高のおやつ。外へ出ることより、外でしかもらえない価値を作っていきます。
ケージから出すと暴れて噛む子犬
リードをつけてから出すケージの中と完全フリーの間に、管理できる状態を挟むことが大切です。
リードを見ると興奮して大騒ぎする犬
ずっとリードが見えるように持って歩け。いつかどうでも良くなる。特別な合図にしないことで、リードへの過剰反応を薄めていきます。
インターホンが鳴ると大騒ぎする犬
インターホンの音を切っちゃう。音を変える。居留守まずは毎回大騒ぎになる刺激を減らすことから始めます。
他の犬が近づくと固まって動けなくなる犬
怖いんだから視界に入ったら離れてあげて!慣らそうとして近づけるより、まずは怖がらない距離を守ることです。
拾い食いをする犬
綺麗な道を歩く。先に掃除してからそこを歩けば問題ない。リードが長い拾える環境に置いているなら、先に環境とリードの長さを見直します。
おもちゃやごはんを取られそうになると唸る犬
ご飯は継ぎ足しわんこそば方式。おもちゃは長いおもちゃを使って渡さない。そもそも渡すから取り返さなければならない。取り上げる流れを減らして、守る必要のない環境を作ります。
ドッグランで興奮しすぎて呼び戻せない犬
ドッグランに行かなくていい呼び戻しの練習ができない場所へ行き続ける必要はありません。
子どもがリードを持つと引っ張って危ない犬
大人が持て。事故予防は、技術より管理が先です。
トリミングや病院で暴れる犬
プロに任せてやってもらおう。預けたら知らんぷり。その場を大きなイベントにしないことも大切です。
散歩中に地面の匂い嗅ぎが止まらない犬
飼い主の顔を見ると美味しすぎるおやつが出てくるようにする地面より人の方が魅力的になる経験を積ませていきます。
家の中で後追いして、姿が見えないと吠える犬
追われることを本気で嫌がれ。追われることに幸せを感じるとこういうふうに育つ。後追いをかわいいで終わらせず、距離のある時間も当たり前にしていきます。
玄関から飛び出してしまう犬
その手前にゲートを設置する。もう、それは飼い主のせい。飛び出せる構造を作っているなら、まず物理的に止めます。
車の乗り降りで飛び出してしまう犬
車の中はクレート事故防止は、車内から始まっています。
他の犬が怖い子を慣らそうとしてドッグランに連れていく
ドッグランに行きたいのは自分。やめとけ犬の練習より、人の願望が前に出ていないかを見直します。
留守番中にいたずらする犬
ハウスやサークルにいれれば何も起きない問題が起きる範囲を、まず物理的に狭めます。
トイレシートをぐちゃぐちゃにする子犬
シーツ使わなくても良い。それか最初からぐちゃぐちゃにしておくと、気にならなくなるよ。ぐちゃぐちゃにできる物として残すか、そもそも置き方を変えるかです。
ソファやベッドに乗ってほしくないのに乗る犬
乗れる高さなら乗るでしょ。ソファーは撤去、ベッドをサークルで囲む。乗れる環境を残したまま注意だけしても、繰り返しやすいです。
散歩で引っ張る犬
1年は歩く練習が必要数回で整うものではなく、日常の積み重ねです。
散歩中に人へ飛びつく犬
それ、相手との距離近すぎない?離れておけば大丈夫。どうしてもの時はリードを踏む。飛びつく場面へ入る前に距離を取る方が早いです。
散歩の途中で座り込んで動かなくなる犬
その前に帰る。限界を超えてから粘るより、座り込む前に切り上げます。
散歩中に急に走り出す犬
いつも走ってるから、走るものだと思っている。普段の散歩で何を練習してきたかを見直す必要があります。
散歩中に急に地面のものを咥えて離さない犬
落ちてるものが取れるほどの自由はいらない。拾える自由があるなら、人の管理の方を見直します。
トイレ以外の場所で粗相してしまう犬
トイレの場所なんて分かってない。どこでもするのが犬。排泄のタイミングをメモって飼い主が連れていく。犬任せではなく、まずは人が排泄の流れを把握していきます。
ごみ箱をあさる犬
蓋。行動を直す前に、取れない形へ変えるのが先です。
食糞する犬
すぐとる。みてない時はどうしようもない。まずは拾える時間を残さないことです。
爪切りや足拭きを嫌がる犬
やられていることを忘れるくらい美味しいもので誤魔化す。嫌なことの最中に、別の価値を上げる工夫が必要です。
足を拭こうとすると暴れる犬
濡れたタオルの上を歩かせる。濡れタオル→乾いたタオルの順で歩かせる。拭く形にこだわらず、足が自然に乾く流れを作ります。
他の犬ではなく、人にだけ吠える犬
近づかない。吠える距離まで寄らないことが最初の対策です。
来客の帰り際にまた興奮する犬
あらかじめクレートに入れる。最後の出入りまで含めて、先に管理しておく方が早いです。
お風呂を嫌がる犬
専門家にお金を払ってやってもらいましょう。家庭で無理にやるより、最初から任せる方が平和なこともあります。
一言でまとめると何が大事か
- 問題が起きる前に環境を変える
- 犬が繰り返しやすい流れを作らない
- 飼い主の近くにいる方が得だと学習させる
- 事故になることは、信じるより管理を優先する
- 短期間で何とかしようとせず、生活全体を整える
一言で済ませているけれど、本当は生活全体の話です
どの解決策も、乱暴に聞こえるかもしれません。でも中身を見れば、犬に無理をさせるためではなく、体験させない、事故を防ぐ、繰り返させない、飼い主の近くにいる価値を上げる、といった話です。
困りごとはその場で起きていても、背景には普段の過ごし方があります。だからこそ、答えは一言でも、整えるのは日常です。
監修・運営
SKYWAN! DOG SCHOOL 代表 井原亮。家庭犬のしつけは、犬に我慢を教えることより、犬が困らず人も困らない流れをどう作るかが大切だと考えています。