この出来事を短く見ると
実際にあった、犬が亡くなった逃走事故の話です
犬の逃走事故は、遠い話ではありません。実際に会った例で、犬が亡くなったケースがあります。
1つ目は、買い物から帰った直後の玄関でした
犬は留守番していて、飼い主さまが買い物から帰った直後のことです。ドアの閉まるタイミングよりほんの一瞬だけ早く、外へ飛び出してしまいました。
そのまま大きな交差点まで走り、トラックにはねられて亡くなりました。
2つ目は、子どもにリードを渡した帰り道でした
「お子さまにリードを任せないでください」とお伝えする講習の帰り道のことです。その帰りにお子さまへリードを渡してしまい、引っ張られた拍子に手から離れてしまいました。
犬はそのまま国道へ出て、車にはねられて亡くなりました。
共通していたのは、犬を信じたことです
この2つの事故に共通していたのは、犬を信じたことです。
それは冷たくするべきだ、という意味ではありません。犬はその場にある刺激で行動が左右される生き物です。だからこそ、人が管理しなければならないのです。
逃走事故は「切り替わりの一瞬」で起きます
特に危ないのは、ドアを開けた瞬間と、リードを受け渡した瞬間です。どちらも、人の手や意識が切り替わる一瞬です。
その一瞬だけ管理が薄くなり、犬は目の前の刺激に反応して動きます。逃げようと決めていたわけではなくても、その場の流れで走り出してしまいます。
日常では「飼い主の近くが一番いい」を育てます
逃走事故を防ぐために日常でやるべきことは、飼い主の近くにいることでいい思いがたくさんできる、という体験をさせ続けることです。
例えば、定期的にスワレをして褒めてもらえる、フセをして褒めてもらえる、歩く練習をしている、などです。ほとんどの基礎練習は、飼い主の足元でご褒美がもらえ、褒めてもらえます。
こうした積み重ねで、基本は飼い主の近くが一番楽しくて、褒めてもらえて、幸せだということを育てていきます。
逃げること自体が楽しい体験にならないようにします
例えばドッグランなどで、リードが離れた瞬間に走り出す癖がつくと、逃げること自体が楽しい体験になってしまうことがあります。
一度それが強い報酬になると、外へ飛び出す行動はより起こりやすくなります。だからこそ、「離れたら自由で楽しい」より、「近くにいれば良いことがある」を育てておく必要があります。
具体的な備えは、仕組みで逃げられないようにすることです
車ではクレートに入れる。玄関では手前にペットゲートを設置して、二重扉になるようにする。お子さまに持たせる場合は、リードをもう一本足してダブルリードにする。
こうした備えは、「うちの子は大丈夫」かどうかではなく、「大丈夫じゃない動きをした時に止められるか」で考えてください。
この出来事から伝えたいこと
- 逃走事故は、本当に一瞬で起きること
- 犬が悪いのではなく、人の管理が薄くなった瞬間に起きやすいこと
- ドアを開ける時とリードを持ち替える時は特に危ないこと
- 飼い主の近くにいることが一番いい体験だと教えていくこと
- クレート、ペットゲート、ダブルリードのように、仕組みで防ぐこと
- 犬を信じないこと、疑うことが、命を守ることになること
監修・運営
SKYWAN! DOG SCHOOL 代表 井原亮。家庭犬の安全管理では、トレーニングだけでなく、事故が起きない仕組みを先に作ることを大切にしています。信頼と管理は別の話として考え、命を守る備えを整えることが必要だと考えています。