子犬の甘噛みはどう考える?まず噛まれない方法を探すこと
子犬の甘噛みは、歯の生え替わりだけでなく、噛むことで何かしらのメリットがあると学んだ時に強くなっていきます。まず大切なのは、どうしつけるかを考える前に、どうすれば噛まれない形で触れ合えるかを探し出すことです。
子犬の甘噛みはどんな時に起きやすいのか
子犬の甘噛みは、遊んでいる時、抱っこや撫でる時、寝る前、構ってほしい時、ごはんが欲しい時など、何かをしてほしい時に起きやすくなります。言い換えると、噛むと自分にメリットがあると経験した行動が起きそうな場面で出やすいということです。
子犬はまだ、手加減や人間社会のルールを知りません。たまたま手を噛んだら飼い主さまが反応してくれた、その経験が楽しいことと結びつくと、噛む行動はどんどん強化されていきます。
「歯がかゆいから」だけでは片づけない方がよい理由
歯の生え替わりの時期に、歯茎が痛がゆくなって硬いものを噛みたくなることはたしかにあります。乳歯が抜け替わる時期には、歯茎の中にある歯が動き、抜けた歯を見るとトゲトゲしているので、痛がゆく感じるのも自然です。
ただ、それだけで説明すると、子犬しか甘噛みをしないことになってしまいます。行動学的に見ると、もっと単純です。噛むことでなんらかのメリットがあるから噛む、これが基本です。
特に子犬は、噛むことそのものが本能的で、しかもたまたま人の手を噛んだ時に反応が返ってくると、「これをやると何か起きる」と学びます。たとえ叱られても、払いのけられても、犬はとても前向きです。「飼い主さまも大きな声を出して楽しんでいるみたいだ」と受け取って、もっとやろうとすることも珍しくありません。
甘噛みを強めやすい飼い主さまの反応
- 声を出して大きく反応する
- 痛い痛いと言いながら、少し楽しんでしまう
- 手を跳ねのける
- 叱る
こうした反応は、子犬からすると「反応してくれた」「遊びが続いた」と受け取られやすく、結果として甘噛みを強めてしまうことがあります。
マズルをつかむ、押さえつける、驚かせるなど、犬の行動を強く制限してやめさせようとすることはおすすめしません。手を出すと一歩後ろに下がって逃げるようになったり、捕まえられまいとして思い切り噛むようになったりすることがあります。
まず最初に変えたいこと
大前提は、手で遊ばないことです。そのうえで、噛まれないように長いおもちゃを使って遊ぶようにします。人の手がいちばん身近でいちばん楽しいおもちゃにならないようにすることが大切です。
遊ぶ時は、興奮することと落ち着くことを交互に入れてください。たとえば遊んだあとにスワレを入れ、落ち着いた状態で終える。こうすることで、興奮しっぱなしで終わらせない流れを作れます。
さらに、長いおもちゃで遊ぶ時は「もう少し遊びたい」と思うくらいで終えることも大事です。手ではなくおもちゃで遊ぶことが楽しいまま終わるので、おもちゃの価値を上げやすくなります。
そして、構ってほしくて甘噛みするほど、犬が自由にできる範囲を広くしすぎないことも大切です。要求されるほどの自由は与えない、という視点を持ってみてください。
甘噛みしてきた瞬間はどうするか
遊んでいる最中に手を噛んだ時
あらかじめ甘噛みしそうな子は、リードをつけて触れ合うようにしてください。手を噛んだら遊びを止め、落ち着くのを待ちます。
撫でていて噛んできた時
撫でる時に噛みやすい子には、おやつをかじらせながら撫でる方法があります。口を使ってもらいながら撫でることで、「撫でられる時には美味しい思いができる」と覚えやすくなります。
構ってほしくて噛んできた時
構ってほしくて甘噛みできるほど、犬の自由な範囲を広くしないことです。人が動けばすぐ噛みに行ける環境だと、人がますます面白い対象になります。
ごはん前に噛んできた時
もし噛んできても、何時間も噛み続けることはありません。頑張っても数分です。落ち着いて諦めるまではあげないようにします。ただし、あげようとするとまた噛む子もいます。その場合は逆転の発想で、ハンドフィードと言って手でごはんをあげる方法も選択肢になります。そうすれば手は「噛む相手」ではなく「お皿の役割」に変わっていきます。
環境で整える、という考え方
全ては行動の管理です。家の中で動いているのは時計の針と人間くらいで、他のものはほとんど勝手には動きません。好き勝手に遊ぶ中で、いちばん楽しいものが動いている人間になりやすいのです。
つまり、一番身近で一番楽しいおもちゃが人間になってしまう、ということです。だからこそ、自分がおもちゃにならないように、手で遊ばない、噛まれない方法をひたすら考えることが大切です。
まとめ
甘噛みは、しつける方法を考える前に、噛まれない方法で触れ合うことを探し出すことが先です。子犬に悪気があるわけではありません。飼い主さまになった皆さんに最初にわんちゃんから試される試験のようなものだと思ってください。
知恵を絞り、必要ならトレーナーを頼り、飼い主さま自身がしっかり勉強する機会だと考えてみてください。その積み重ねが、あとで大きな差になります。