犬はスーパーポジティブシンキング
犬を見ていると、落ち込んで引きずるというより、とにかく次にどうやってうまくやるかを考えているように見えることがあります。人から見ると困った行動に見えても、犬はひたすら目的達成のために行動を変えているだけ、という場面はとても多いです。
犬には失敗という文字があまりありません
犬はスーパーポジティブシンキングです。彼らには失敗という文字があまりありません。そして、それを後悔するということもほとんどありません。
なので、落ち込んで引きずるということも、ほぼありません。ひたすら成功すること、目的を達成すること、そのために行動を変化させていきます。
人から見ると「イタズラ坊主」に見えることがあります
たとえば、イタズラをしたとします。叱られる。人間なら、「怒られるからもうやめておこう」と考えることがあります。でも犬は違います。
次に成功させるためにはどうするか、行動を早くする、見つからないようにする、場所を変えてみる。そんなふうに、目的を成功させるための行動を試してみます。
これを飼い主が見ると、イタズラ坊主のように見えることがあります。ですが、実際にはひたむきに目的達成のための行動を遂行しているだけ、と考えた方が近いのです。
後悔するより、次にどうするかを考えています
犬は「あの時あれをやっちゃったから、今度はやめておこう」と深く後悔してブレーキをかけるよりも、「どうしたら見つからずに成功できるか」に全力を尽くす力を持っています。
この能力は、野生の動物として考えるととても自然です。もし獲物を取り損ねた時に、「自分は狩りが下手でどうしようもないやつだ」と落ち込んでしまったら、次にチャレンジすることがなくなり、食事が取れなくなってしまいます。
次に向かう力、またやってみる力。このチャレンジ精神は、生きていくためにとても大切なものです。
犬は、できなかったことを長く引きずるより、「じゃあ次はどうしよう」と動いていきます。この前向きさが、犬らしさの一つだと思います。
犬は将来の目標ではなく「今ここ」を生きています
人間のように、三年後の受験に向けて頑張る、といった考え方を犬は持っていません。犬の頭の中にあるのは、今ここでどうしたらいい思いができるか、どうしたら自分にとってメリットがあるか、ということです。
だからこそ、今この瞬間の経験がとても大事になります。楽しいこと、落ち着けること、安心できることが何度も起これば、それが犬の中に積み重なっていきます。
この前向きさが、飼い主を元気づけてくれます
チャレンジ精神からくるポジティブシンキングが、犬には標準装備で備わっているように感じます。これが、飼い主を元気づけてくれる要素でもあります。
飼い主が疲れていても、犬は全く動じることなく無邪気に遊びを誘ってきます。自分の楽しいことやメリットになりそうなことを、ひたすらまっすぐに要求してきます。
その姿を見ていると、少し落ち込んでいても、少し疲れていても、こちらがポジティブな方へ引き戻されることがあります。犬は癒し、とよく言われますが、その背景にはこの力があるのだと思います。
犬を見ていると、こちらの考え方も少しやわらかくなります
犬は、昨日の失敗を重たく抱えて今日を過ごしてはいません。今日また、次に向かっています。この軽やかさは、人が犬と暮らす中で受け取っている大きな贈り物なのかもしれません。
もちろん、困った行動は整えていく必要があります。ですが、その時にも「ダメな犬なんだ」と考えるのではなく、「どうしたら成功しやすい形にできるか」と一緒に考えていく方が、犬の考え方にも合っています。
このポジティブさをトレーニングに使います
このポジティブな性格は、トレーニングを考える時にとても大きなヒントになります。犬は「これをやるとおやつがもらえるじゃん」「これをやると遊んでもらえるじゃん」という感情で動きやすいからです。
つまり、感情と報酬をうまくコントロールしてあげると、トレーニングはとても進めやすくなります。何をしたら良いことが起きるのかを犬にわかりやすく伝える方が、行動は圧倒的に整いやすいです。
逆に、叱ってもポジティブに理解することがあります
ここで覚えておいてほしいのが、叱っても犬はほどよくポジティブに理解してしまうことがある、という点です。
たとえば、チャイムに向かって吠えている犬に「うるさい!」と言ったとします。人は止めているつもりでも、ポジティブな犬から見ると「お、飼い主も吠えてるぞ。じゃあ一緒にもっと吠えるか」と受け取りやすいことがあります。
飼い主の手を噛んで「痛い!」と声を出す場面も同じです。犬からすると「飼い主も興奮してるぞ。もっとやっていいんだな」と理解してしまうことがあります。こうして、結果的に行動をさらに増長させてしまうことがあります。
残念ながら、叱っても効果は限定的なことが多いです。それよりも「この行動をしたら褒めてもらえる」と教えることの方が、行動は改善しやすくなります。
飼い主の役目は、ポジティブさに乗って良い行動へ導くこと
飼い主の役目は、ダメなことを罰することを考えるよりも、犬のポジティブさにうまく乗っかって、楽しく良い行動へ導くことです。
犬は落ち込んで立ち止まるより、次の成功に向かって動いていく動物です。だからこそ、こちらも「どうしたらうまくいくか」を一緒に考える方が、犬との暮らしはぐっと楽になります。