赤ちゃんが生まれてから犬が落ち着かない時に見直したいこと
赤ちゃんが生まれると、どうしても生活の中心は赤ちゃんになります。その時に「犬のことに手が回らなくなって、辛い思いをさせているのではないか」と心配になる飼い主さまは少なくありません。先日も、そんなご家庭に伺ってレッスンをしてきました。
赤ちゃんが生まれると犬の生活も大きく変わります
飼い主ご夫婦が先に犬と暮らし始め、そのあとに子どもが生まれる。この流れはとても多いです。そして赤ちゃんが生まれると、今まで犬に使えていた時間や手間はどうしても減っていきます。
先日伺ったご家庭でも、「犬のことに手が回らなくなって、犬が辛い思いをしているのではないか」と相談してくださいました。その子は運動量が必要な犬種で、これまではたくさん時間を使ってあげられていたけれど、同じようにはできなくなったそうです。普段からソワソワした動きが増えていて、落ち着きにくい様子が見えていました。
たくさん運動させれば落ち着くとは限りません
こういう時、多くの方が「もっと運動不足を解消しないと」と考えます。もちろん運動は大切です。ただ、家庭犬の落ち着きという視点で見ると、運動量を増やせばそれで解決するとは限りません。
おそらくその子は、普段の生活の中でエネルギーを発散させるためにたくさん運動していて、その結果、興奮を自分で落ち着かせることがうまくできず、どうしていいかわからないような動きをしていました。
集中力を使いすぎる運動は、興奮を残すことがあります
普通以上の集中力を使うような運動、たとえばフリスビーやアジリティーのようなものをしすぎると、落ち着くというよりも脳内にアドレナリンが出すぎた状態になることがあります。そうなると、運動が終わってもすぐには落ち着けず、リラックスするまでに時間がかかります。
そして、その興奮が引かないうちにまた運動を重ねてしまうと、家庭犬に必要なリラックスする時間が少なくなっていきます。もちろん、フリスビーやアジリティーなどの競技を行う場合には高い集中力が必要ですから、その力は競技の中でトレーナーにうまく引き出してもらうのがよいと思います。
ただ、日常生活の中では、常に興奮状態の一歩手前にいるような精神状態を作らないことが大切です。そこにいると、小さなことでも興奮のスイッチが入りやすくなってしまいます。
いかにしてエネルギーを使わせるかだけではなく、いかにして落ち着いた精神状態を作ってあげるかを考えることが大切です。
落ち着いて生活してもらうために必要なこと
落ち着いて生活してもらうために必要なのは、おもちゃでたくさん遊んで疲れてもらうことではありません。おもちゃは興奮を誘発しやすいので、リラックスを目標にしたい時には逆方向へ振れやすいことがあります。
また、たくさん食べることでもありません。むしろヒントになるのは、噛むことです。口を動かしてもらうことです。
ヒントは「噛むこと」です
野球選手などでも取り入れている方がいますが、ガムなどを噛むことでリラックス効果があると言われています。噛むことで心拍数が下がることを紹介している本もあります。
その子に合わせて落ち着ける時間を作る、あるいは落ち着くタイミングを待って、その時に褒めていきます。褒める時におやつを使えば、口を動かすことになりますから、二重の意味で効果があります。
落ち着いている時間を見つけて褒める
落ち着いている時間に褒めてもらえるということを、飼い主は理屈で、犬は体験と経験で覚えていきます。ここはすぐに変わるものではありませんが、とても大切な積み重ねです。
逆に、「落ち着け」と叱ったり、体を押さえてどうにかしようとしても、何の効果もありません。むしろ逆効果で、興奮に拍車がかかってさらに落ち着かなくなることがあります。
焦らないことが一番の近道です
赤ちゃんが生まれたあと、犬の生活が変わるのは自然なことです。その中で、いかにして落ち着いていられる時間を作って、そこを褒めてあげられるかが大切です。
そして、これは時間のかかることです。焦らないことが一番の近道です。たくさん動かして疲れさせることよりも、家庭犬としてリラックスできる時間を取り戻していくことを大事にしてあげてください。